フンデルトヴァッサーが手掛けた舞洲ゴミ処理場 / 大阪③

2022.01.08

こんにちは。工場を後に向かったのが、大阪市此花区の埋め立て地に位置する舞洲ゴミ処理場。フンデルトヴァッサーに魅せられている者としてずっと行きたかったところ。

車を走らせながら見えてくるその異形、その大きさに圧倒される。

反対側には、アラビアンナイトな大阪市都市環境局・舞洲スラッジセンターが。

フンデルトヴァッサーが手掛けたのは、大阪市環境局・舞洲工場というゴミ焼却場と、大阪市都市環境局・舞洲スラッジセンターという汚泥処理場のふたつ。

シュピッテラウにあるウィーン市の焼却施設(Müllverbrennungsanlage Spittelau)の評判を聞きつけた大阪市が、1997年フンデルトヴァッサーにデザインを依頼。舞洲工場は609億円、スラッジセンターは800億円をかけ壮大なごみ焼却施設が完成しました。

シュピッテラウ焼却施設(1988-1992)もウィーン市の依頼で建てられた建築物。フンデルトヴァッサーは殺伐とした工業用建物をアラビアンナイトな宮殿に変化させ、都市としての景観を魅力的なものにしました。そしてこの焼却施設の外壁修復と、施設から排出される有毒ガスの浄化とが同時に実現されるよう心砕いたといいます。この施設から外気に排出されるダイオキシンの量はゼロに近いそう。

ウィーン市のシュピッテラウ焼却施設

舞洲工場は、一日450トンのゴミを処理できる階段式火格子を2基有し、焼却後の灰は約 1/20のかさに。ダイオキシン類は分解され、キレート処理により無害化されます。余剰の蒸気は工場内で使用するすべての電気をまかない、さらに余った電気は電力会社に送電されています。

ここからごみ収集車が入っていきます

アトラクションの入り口みたい。収集車が吸い込まれていってる。カワイイ。

「自然界には直線や同一のものはない」というフンデルトヴァッサーの哲学。曲線で構成された彼の建築物は柔らかで優しい。そうよね、いつも不自然に感じるのが直線の国境。

周りの植物とともに生き、一緒に成長している。

「自然は至高の現実であり、世界的な調和の源なのだ」という彼の作品は「自然+美=幸福」という方程式を中心に構築される。(記事「きっと行く旅、また行く旅」)

クンストハウス・ウィーン

空を向いた屋根はすべて自然に還さなければならない。

うわーん登りたい。

そして舞洲スラッジセンター。ここも植物と共生してるね。

正面。

日本文化を愛したフンデルトヴァッサーの雅号は姓を直訳した「百水」。「美しくて無駄がない」と日本の風呂敷を賞賛し、1997年には12種類の風呂敷絵を描き商品化。日本人の女性と4年程の結婚生活も送られています。

美しいって嬉しいし、幸せよね。ありがとう大阪。また来るね。

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