銀座メゾンエルメスのホリデーウィンドウ「Tree Hut(ツリー ハット)」

2021.11.20

こんにちは Lulu.です。銀座メゾンエルメスのウィンドウが11月6日から、アーティスト川俣正手掛けるツリーハット(小屋)に様変わりしています。

1953年北海道生まれの川俣氏は、東京藝術大学美術学部絵画科卒業後、同大大学院博士課程満期退学、フランスの高等美術学校 エコール・デ・ボザールの教授を2019年に退職。ダイナミックな素材の使い方や構造や造形の美しさで知られ、世界を舞台活躍されています。

今年のエルメスの年間テーマは「Human Odyssey」。

川俣氏は、このテーマを人間のイマジネーションの拡張あるいはその可能性を探る旅と解釈し、アーティストの象徴ともいえるツリーハット(小屋)とネスト(巣)をウィンドウの中に構想しました。

おーツリーハウス大好き大好き!基地だよね、秘密の隠れ家だよね。宙に浮いたこじんまりしたスペースって落ち着く。ネスト(巣)も鳥たちの帰る場所、安心する空間。私たちに好奇心を与え、地上を離れた遠いところへ誘ってくれる存在。

嬉しかったのは樹木がウィンドウの外に出てきてくれたこと!こんなこと今までなかったのでは??と思ったらそうでした。ウィンドウの外に広がるインスタレーションへの挑戦は、20年間の銀座メゾンエルメスの歴史の中で初めてのことだそうです。

ウィンドウディスプレイって夢の具現化。ブランドの見ている夢がドロリと外側に流れ出す様に惹かれる。伊勢丹のウィンドウを取材させていただいた時もそう感じた。

建築家レンゾ・ピアノが手がけたガラスブロックのビルの側面にある16面の小窓には、川俣氏の手掛けるマケット(模型)が展示されています。

エルメスの季刊誌「Le Monde d’Hermès」79号は年間テーマ「オデッセイ」を物語る2冊目でした。毎号ブワーっと世界を広げてくれるので読み物として届くのを楽しみにしています。

刺さったのは10月の「鋭敏」。

鋭敏さとはまた、聡明であること、高い洞察力を備えていること。それはつまり、あるかなきかの微かなものもつまびらかに知覚できる、ということに他ならない。

そして11月の「機敏」。これは馬術競技においてのライダーと馬との関係において大切なもの。

機敏さとは、経験と直観が合わさって生まれる能力です。(スティーブ・ゲルダット)

ーいつものように右側からー入場しようとした時、突然、雨が降り出しました。観客が一斉に傘を開いたことで馬がひどく怯え、立ち止まると引き返し始めたのです。残された時間は40秒。急遽、私は左側から入場することにしました。その馬では初めての試みでしたが、瞬間的にそうすべきだと直観し、うまくいったのです。(ジェシカ・フォン・ブレドウ=ヴェルンドル)

東京オリンピックでのジェシカ・フォン・ブレドウ=ヴェルンドル選手の演技は圧巻でしたね。(記事「東京オリンピック馬術競技 / ②総合馬術」)

オデッセイとは長い旅であり、自らの原点を忘れず挑みつづけることでもあります。創業者ティエリー・エルメスはドイツ西部の町クレフェルトから徒歩でパリを目指し、自身のオデッセイを成し遂げ、1837年パリでエルメスを創業するのです。

馬具商としての確固たる軸を持ち、職人さんたちと共に、常に新しい世界を開拓していくエルメス。

数年前のホリデーシーズンには小さなスケートリンクが出現したり、馬車が登場していたピロティエリア。

今シーズンは樹木とネスト(巣)がそっと佇んでいます。

街が華やいでくる季節、メゾンから流れ出した夢を見に是非。

銀座メゾンエルメス ウィンドウディスプレイ「ツリー ハット」

2021.11.6(土)~2022.2.8(火)

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