道東。最果ての地へ②〜野付半島・春国岱・納沙布岬

投稿日:

2021.09.09

こんにちは Lulu.です。夜明けが美しかった屈斜路湖を後に「最果て」を求め、野付半島・春国岱(しゅんくにたい)に向かいます。

オホーツク海に鈎針のように広がる全長約26kmの日本最大の砂嘴(さし)、野付半島。砂嘴とは、海流により運ばれた砂が長年に渡って堆積して作られた地形のこと。

道道950(フラワーロード)を半島の先端に向かって走る。海水に侵食され風化したミズナラが立ち枯れたまま残るナラワラを見に。

緑の中に白骨化したようなナラワラ。

少し走ってネイチャーセンターへ。16km先には、ロシアに占拠されたままの国後島が横たわる。江戸時代には国後島へ渡るための通行屋が設置され、野付崎の先端部には幻の町「キラク」という集落があったとされています。

薄っすらと国後島が見えます。

そろそろ返していただきたい。

ネイチャーセンターから約1.3km歩いて、海水に侵食され立ち枯れたトドマツが並ぶトドワラまで行きます。

見渡す限り誰もいない!気持ちいい!

このまま空に吸い込まれそうな橋。

橋から下を覗くと、びっしりと生息している海藻。この藻は、ホッカイシマエビなど海の生態系にとって重要な働きをしています。スクリューで藻を傷つけない打瀬船を使用して行う曳網漁が、野付湾ならではの漁法だとか。

40年前は、向かいの尾岱沼から観光船でトドワラまで来ました。海中に蠢く藻の間からニュッと顔を出すアザラシの…現実感を失わせる情景が焼き付いています。

打ち上げられ乾いた藻のうねり、色合い、荒涼感。果てしなく美しい。

橋を戻ってトドワラへ。野付半島は地盤沈下が進んでいるという。この景色もいつかは見られなくなってしまうのでしょうね。

誰もいないし、晴れてきたし、開放感いっぱいの「最果て」に嬉しくなって、ゴロンと寝転んだら溶け込んでしまいそうだった。自分の輪郭が曖昧になってくる感覚。

鹿さん、ごきげんよう。

ネイチャーセンターから車でさらに先端へ。

あっ、バンビちゃんこんにちは。白い斑点を持つ夏毛の鹿はみんな「バンビ」よね。カラスがみんな「マリア」のように。

灯台まで歩く。海の向こうはロシアかー。北方四島飛び越えてカムチャッカに行くかねー。簡易電子ビザ 適用されてるし。ハイシーズンには成田からヤクーツク航空の直行チャーター便が出ているようですが、ウラジオ経由で行くのが一般的らしい。(記事「極東ロシア ウラジオストク①」)

カムチャッカ〜とかワクワクしながら乳白色の石を集めた。

さて、道道950の起点から戻って、春国岱(しゅんくにたい)に向かいます。

途中、道の駅 尾岱沼の横にある「四島への道 叫び」の像を見て、外務省発行の「われらの北方領土」冊子をもらい、ソフトクリームを食べながら色々と考える。

春国岱は、風蓮湖と根室湾を区切るように伸びる、砂州と呼ばれる砂でできた長さ8km、幅1.3kmの島。野付半島と共に、ラムサール条約湿地に登録されています。

またスーッと伸びる気持ちの良い木道をテクテク歩く。

グレーの空との色合いがね、吸い込まれるね。

うー橋が崩れていたので、残念。

またね。

さー最果ての地、本土最東端の納沙布岬へ。おっキタキツネ。

日本で一番早く朝日が昇る場所。

北方領土の歯舞群島はすぐそこ。

全国から届けられた返還の願いが込められた石。

根室は標識にもキリル文字。

日本最東端の有人駅、根室駅。小さなカワイイ駅。

花咲線全通100周年。花咲線という名前は愛称で、北海道一長い鉄道路線「JR根室本線」のうち、釧路と根室を結ぶ135.4kmの鉄路をそう呼んでいるそうです。

ああ、ユルリ島。納沙布岬に向かう道の右手に、テーブル状の平らな島が見えてきます。かつて昆布漁の労力として島に持ち込まれた馬の子孫が無人島となったユルリ島にいまでも生きています。

ユルリ島、なんだか怖いんです。そこだけ異界な異様な空気に包まれていて。見てない時は存在しないかのような不思議な島。

写真家、岡田 敦氏がユルリ島に生息する野生馬の撮影を続けています。

夏は緑の大地が美しい。

冬の花咲線に乗ってまた来たいな。

コメントを残す