インドのゴアの記憶と空気を留めるテキスタイル / Life on the Road “Go 2 Goa” By Jennie & Yuzuru Featuring Savio Jon From Goa

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2019.04.17 

こんにちは Lulu.です。スコットランド出身のジニーと古賀ユズルが主宰するNJK “Handmade with Love”のトランクショーにお誘いいただき行ってまいりました。

ジニー・マッカーサー・コガ(Jeannie McArthur-Koga):スコットランド生まれ。1977年より5年間東京に在住。当時は数少なかった骨董市に通う中で日本の美に魅せられる。1990年〜98年にロンドンのイッセイ・ミヤケでディレクターを務めた後、バイヤー、スタイリストとして活躍。未だ見ぬ地、人、美しいものを求めて、ユズルと共に未だ、旅の途である。

古賀ユズル:19歳でヨーロッパひとり旅、東京にてジニーに出逢う。1981年にロンドンへ拠点を移し「カルチャーショック」を設立、絣(かすり)のコレクションを発表。雑誌「ペン」や「エル・デコ」インド、などの取材を行う。2008年パートナーであるジニーと共に行きたい場所、逢いたい人を求めての旅を始める。

第一弾となる今回は、ジニーとユズルが毎年必ず避寒と瞑想に訪れる場所、インドのゴアに焦点をあてたコレクションを展開。ジニーが長らく集めてきたヴィンテージサリーを重ね、カンタ(刺し子)を施したスカーフが並びます。

母から娘へ引き継がれていく手仕事。じっくりとしたインドのものつくりに対してのエネルギーに衝撃を受けたという。

インドの持つその色の組み合わせ、パターンの組み合わせの限りなさに感動したというジニーさん。ご自身も心動かされたことを伝えるのは、デジタルではなく手書きのカードだそう。

また、彼らが得意とするインディゴ染めなどのアイテムも並びます。

首回りのカッティングが綺麗なブラウス。

かつてポルトガル領であったインドの西海岸の州ゴア。そこでは「一日の区切りがはっきりとある」とユズルさん。夕日を見るために自然と人が集まるビーチ。自然のリズムがきちんと伝わるその時間は、忘れかけていた大切な「何か」を喚起してくれる。そんな想いが詰まったNJK “Handmade with Love”のアイテム。

素朴なフィッシュネットバッグ。

そして彼らがゴアで出会ったデザイナーのサビオ・ジョンのアイテムにもお目にかかれます。

服というものは色・裁断・質感それぞれの独特なディテールの集まりである、というサビオの服。暑いゴアの空気をサラリと逃すような爽やかな白に蛍光色の糸によるアクセント、

そしてマドラスチェックが、なんともインド。かつてマドラスと呼ばれたインド南部の都市は、現在チェンナイと呼ばれています。

ユズルさんの「不自由の快感」という言葉が残りました。停電が頻繁に起こるインド。便利に慣れきった私たちは、そんな不自由さを「愉しむ」気持ちが大切なのではと。

この言葉を聞いた時、瞬時に思い出したのが元旦。伊勢丹のウィンドウの取材をした時に感じたこと。2015年の三越伊勢丹の初売りは1月3日からでした。

「これを聞いてなんだかとても嬉しくなりました。以前は百貨店も週一定休日があり、お正月の三が日は閉まっていたものです。元旦は車の通りも少なく街がシーンと凛とした空気をたたえていたことを思い出します。非日常。一年に一日だけでもその不便さと特別感「非日常」を楽しむことも大切なのでは、と。百貨店側がどんな思惑で3日から、としたのかは分かりませんが、この試みを私は勝手を喜んでいます。」(過去記事「伊勢丹新春ウィンドウは「新説七福神めぐり」〜Nicolas Buffe×ISETAN」)

水金地火木土天冥海」のバイヤー土村さんが培った素晴らしい人々との出逢いから生まれた、そしてゆったりとしたゴアの時間が詰まったアイテムを体感してみて下さい。

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