ニットと機械が溶けあった!〜Motohiro Tanji Fall 2019

2019.04.17

こんにちは Lulu.です。大好きなニットデザイナー、Motohiro Tanji Fall 2019の展示会にお邪魔してきました(過去記事「アナログとデジタルが溶け込んだニット〜Motohiro Tanji Fall 2018」)

丹治 基浩:慶應義塾大学卒業後、イギリスのノッティンガムトレント大学MAニットウェアデザイン科を首席で卒業。その後、様々なメゾンにニットテキスタイルを提供するAcorn Conceptual Textilesに勤務。2012年に帰国、2013春夏シーズンより自身のブランド「Motohiro Tanji」をスタート。2013年Tokyo新人デザイナーファッション大賞プロ部門に選出。

今シーズンのアートピース。背骨な後ろ姿が麗しい。

「丹治さん、今シーズンのテーマって何ですか?」「機械なんですよー。諸星大二郎の『生物都市』から影響を受けまして」「ええー私、諸星大二郎好きで読んでます!」「おー諸星大二郎知ってる人に会えるなんて、びっくりしました」「好きな方向性同じですなー繋がりますなー」ってな感じで機械です。

『生物都市』では、有機物と無機物が融合し生き続けるという世界が展開されるのですが。

ここでは、機械とニットの融合。マシンのボタンのような

はたまたケーブルを彷彿とさせる編み。

こういった視覚的に訴えるアイテムって実際に着てみるとシックリこないことが多々。でも丹治さんのニットは、身体を入れて動いてもきちんと収まって快適。シルエットを乱すことなく美しさが保たれる。

これは…大学時代に所属されていた脇田教授の研究室での産物か、と勝手に想像している。「テクノロジーを駆使し、自然界の見えない情報を可視化する」という研究室での丁寧な学びがコレクションに反映しているのかな、と。

今シーズンはカフェ・オ・レな色が初登場。ワントーンで着てみたい。

世界観の強いものは往々にしてカッコイイけどショーで「見せる」という要素が大きく、普段着られないよね、というのものが多い。それがコマーシャルピースで登場した場合、惹かれた世界観の大部分が削がれてパワーのないものになってしまっていたり。丹治さんのアイテムは、その見せるグロテスクさと日常との境目を難なくクリアしているところが素晴らしい。

そして前シーズン「タペストリーいいよね!ウォールアートあったらいいよね!」と話していたら〜もう、ちゃんと作ってくれていました。嬉しい。

通常は1レイヤーで編まれるニットを何層にも重ね、立体的編み地を開発した丹治さん。ひとつのアイテムに幾つもの技術が詰め込まれ、飛び出し、派生し、蠢く様は見事。

融合にドロドロ、派生とか蠢くとか溶け合うとか。丹治さんの生み出すニットを形容する単語は決まっていて。本当にもうね、芯が絶対にブレないし、シーズンを重ねるたびに深く広く遠くへ連れて行ってくれるのが嬉しい。

丹治さんのインスタグラムはこちら

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